事務局通信

心の疲労と体の疲労

いつもご愛読ありがとうございます。一社)日本自律神経整体協会 事務局の山下です。

前回も冒頭でお伝えしましたが、芸能人の相次ぐ悲しい報道により、うつなどの心の状態について考えることがあるかと思います。

実際に我が家でも、妻から「何か抱え込んでたら相談してね」と一言言われました。幸い私自身は何もなく元気な毎日なので、逆に妻にも「何かあれば・・・」と返しておきました。こんな些細なやり取りですが、本気で悩みを抱えていたらこういうやりとりは大事だよなーと思いました。

さてさて、無理やりつなげますが、今回は心と体の疲労についてお伝えしていきたいと思います。

心と体は繋がっている

昔から「病は気から」と言われています。これは主に東洋医学の考え方で、「心」と「体」を別物とは考えずに、お互いに作用しているものと捉えています。体が疲れてくれば心は疲弊しますし、心が疲れた状態だと体は疲労しやすくなったり、不調をきたしたりします。

ちなみに西洋医学では心と体は切り離して考えることがほとんどです。これは西洋医学が科学に基づいた医学なので、科学的に解明されていないことは手出しできないからです。なのでお腹が痛ければ内科に行くし、心が病めば精神科に行くといった感じで、専門分野に任せる形となっております。

当協会では東洋医学的な考え方をもとにしているので、前者に基づいてお話をしていきたいと思います。

体の不調が心を蝕み、心の不調が体を蝕む

なぞなぞみたいな言い回しになりましたね笑 例を出して進めていきましょう。

ブラック企業勤めの会社員がいたとします。毎日毎日遅くまで残業し、休みも週1回あるかないか。上司からはノルマを押し付けられ、少しでも手を止めようものなら怒声を浴びせられます。

今時こんなマンガみたいな会社はないと思いますが、この方を例にとって見ていきましょう。

毎日遅くまで残業し、休みがない状況だと、まず体が持ちません。さらに上司からのプレッシャーで心も疲れてくるでしょう。この場合は心も体も潰されそうな状況です。

まず肉体が疲れ果てると、とても眠たくなると思います。よくいう「死んだように眠る」というやつです。一方で心(脳)に疲れが溜まると逆に眠れなくなるのです。こうなると非常に危険です。

体は疲れていて休みたいのに、心の疲れのせいで体が休まらない。ここまでくると重症です。

その疲れの原因は心?体?

もしあなたが上記のように非常に危険な状態だとしたら、その原因は体の疲れですか?それとも心の疲れですか?どちらが疲れているかを把握することが大事です。

仕事の場合だと、労働環境が疲れるのか?人間関係が疲れるのか?どちらが問題なのかを考えても良いでしょう。

また、人間は心と体、どちらかが強かったり弱かったりします。自分が肉体的な疲れに強いのか、それとも精神的な疲れに強いのか?それを把握するのもひとつですね。

人それぞれ性格が違えば、生活環境も違います。まずは自分の環境がどんなものなのかを考え、何が原因なのかを考えましょう。原因がわからなければ何も対処できません。

心の休息を意識して!

東洋医学では、病気になる前や体調が崩れる前に養生することを基本としています。バランスの良い食事、質の良い睡眠など、体をしっかりと癒して疲れを取ることを当たり前としましょう。

そして体だけではなく、心についてもしっかりとケアをしてあげてください。

体を休ませることを意識する人は多いですが、心の休息を取ることについてはまだまだ意識が足りない人が多いです。意識して心を休ませるようにしましょう。

しかし実生活の中でも当然喜怒哀楽があります。仕方ないことではありますが、何事もやりすぎは良くありません。

怒りすぎたり、悲しみすぎたりというのは何となく体に悪そうなのはわかると思います。喜びすぎ、楽しみすぎというのも考えものです。

喜びすぎたり楽しみすぎたりすると「気の緩み」につながります。ほどほどなら良いですが、緊張感は大事です。食事の栄養と同じく、心では緊張と緩和のバランスが大事なのです。

まとめ

日本人は真面目で、責任感が強く、休まずに働くことや、弱音を吐かないことを美徳とする傾向がまだまだ残っています。とても素敵なことではありますが、それによって自分自身が疲弊し、潰れてしまっては元も子もありません。

無理をしなければいけない時もあるでしょう。しかしそんな中でも心も体も休める時には休んでください。時間がない中で休もうと思ったら、せめて心か体とどちらか、疲労が大きい方を休めてあげてください。