事務局通信

自律神経失調症について学んでみる

いつもご愛読ありがとうございます。一社)日本自律神経整体協会 事務局の山下です。

本ブログではその季節に現れるであろう不調について、自律神経の観点からお伝えしております。しかしながらよくよく考えてみると、自律神経失調症についてお伝えしていなかったので、今回は改めて自律神経失調症についてお伝えしていきます。

自律神経失調症とは?

自律神経失調症とは、ストレスや不規則な生活によって自律神経のバランスが乱れるために起こる様々な不調のことを総称して言います。

症状が多岐に渡るため、「自律神経失調症=こんな症状」と具体的に言うことは難しく、どうしても抽象的な診断になってしまいます。

余談ですが「自律神経失調症」という公式な病名はありません。

自律神経の働き

心臓を自身の意思で動かしたり止めたりできますか?汗をかこうと思ってかいたり、止めようと思って止めることができますか?できないですよね。

このように自分の意思で動かせないものを自動で動かしてくれる神経のことを言います。

自動で動かしてくれると言っても適当に動かしている訳ではありません。人間が生活していく上で、快適に過ごすために環境に合わせて様々なものをコントロールしてくれているのです。

ホメオスタシス

ホメオスタシスという言葉をご存知でしょうか?ホメオスタシスとは「外界がたえず変化していたとしても、体内の状態(体温や水分量など)を一定に維持できる能力」のことです。

例を出しますと、暑い時に汗をかきますよね?これは暑さによって体温が上がりすぎるのを防ぐために汗をかくように促し、体内の熱を排出しているということです。

真夏でも真冬でも人間の体温は36℃ぐらいですよね。このように外界の影響を受けず、体の状態をキープする働きのことです。

そしてこのホメオスタシスを維持するために活躍しているのが自律神経なのです。

自律神経の役割

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の二つに分かれ、それぞれが違う役割を持ちます。

交感神経

交感神経は日中、主に活動時に働く神経です。車で言うところのアクセルに当たります。
体の機能を活発にさせる神経で、心拍数を上げたり、筋肉を緊張させたり、発汗を促したりすることが主な役割です。

仕事や運動をするときに主に働き、しっかりとしたパフォーマンスを出すためには交感神経が優位にならないといけません。

副交感神経

副交感神経は、主に休息時に働く神経です。車で言うところのブレーキになります。
交感神経とは真逆で、体をより効率的に休ませ、回復させるように促します。主には血圧を下げる、心拍数を低下させる、筋肉を弛緩させるといった、リラックス状態に導いてくれます。

休息時はこの副交感神経が優位に働いていないと体が十分な休息を取ることができません。

このバランスが乱れると・・・

自律神経失調症とは、簡単に言うと交感神経と副交感神経のバランスが乱れた状態のことを言います。

本来であれば活動中に優位になるはずの交感神経が優位にならず、副交感神経が優位になったらどうなるでしょうか?
仕事や学校の時間に体がだるい、眠い、やる気が出ないなどの症状に陥ります。

逆も然りです。1日の疲れを癒すには睡眠が大事です。本来であれば睡眠時に優位なのは副交感神経ですが、交感神経が優位になると、目が冴えて寝れない、途中で目が覚める、起きた時に体が重いといった症状が出てきます。

このような症状は初期症状で、これらが続くと頭痛・めまい・耳鳴り・不眠などの症状が出てきます。

また、ホメオスタシスが崩れはじめ、例えば体温調整がうまくいかず冷えやのぼせ、外気温にうまく対応できず風邪を引いたり熱中症になったりと体調不良を引き起こすことになるのです。

自律神経の乱れを防ぐには?

基本的には朝起きて夜眠る、3食しっかり食べる、しっかりと睡眠を取る。と言った規則正しい生活を送ることが一番です。

他にも季節によって様々な症状もありますが、それらについてはこれまでもこれからも記事にして紹介していきますので、参考にしてみてください。

春は特に自律神経が乱れやすい季節でもあります。自律神経のメカニズムを知ったところで改善には繋がらないかもしれませんが、知らないよりは知っている方が様々な面で対策を講じる事ができるでしょう。皆さんの健康のために、今回の知識が少しでもお役に立てれば幸いです。